「サイトを作りたいけど、WebflowとWordPressどちらがいいの?」
この質問、本当によく受けます。どちらも優れたプラットフォームで、一概に「こっちが正解」とは言えません。ただ、用途・予算・運用体制によって明確に向き不向きがあるのは事実です。
この記事では、実際に両方のプラットフォームを使ってサイトを制作してきた立場から、2026年現在の最新情報をもとに比較していきます。「なんとなくWebflowが良さそう」「WordPressしか知らないけど乗り換えを検討している」という方に、具体的な判断材料を提供できれば幸いです。
1.WebflowとWordPressの基本比較
まずは両者の基本的なプロフィールを整理しておきましょう。
1-1.Webflowとは
Webflowは2013年にアメリカで創業されたノーコード・ビジュアルWebサイトビルダーです。2026年時点でユーザー数は350万人を超え、特にデザイナー・代理店・スタートアップの間で急速に普及しています。
特徴的なのは、「デザインしたものがそのままHTMLとCSSのクリーンなコードに変換される」という設計思想。Figmaのようなデザインツールに近いUIでサイト構築ができます。ホスティングはWebflow社のインフラに一本化されており、サーバー管理は不要です。
1-2.WordPressとは
WordPressは2003年に誕生したオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。インターネット上の全Webサイトのうち約43%(2024年データ)がWordPressで構築されているとされ、世界シェアNo.1のCMSです。
「WordPress.org」のセルフホスト版と「WordPress.com」のホスティングサービス版がありますが、本記事ではカスタマイズ性の高いセルフホスト版(WordPress.org)を前提に話を進めます。
1-3.基本スペック比較表
- 創業 — Webflow: 2013年/WordPress: 2003年
- 世界シェア — Webflow: 約1%/WordPress: 約43%
- コーディング不要度 — Webflow: 高い/WordPress: 中程度(テーマ依存)
- ホスティング — Webflow: 一体型(Webflow管理)/WordPress: 自己選択
- オープンソース — Webflow: No/WordPress: Yes
- 無料プラン — Webflow: あり(Webflowドメイン付き)/WordPress: あり(セルフホスト自体は無料)
- 日本語コミュニティ — Webflow: 小さい/WordPress: 非常に大きい
2.デザインの自由度で比較
2-1.Webflowのビジュアルエディタ
Webflowのデザイン体験は、一言で言えば「コードを書かずにコードを書いている感覚」です。
CSSのプロパティ(Flexbox、Grid、padding、marginなど)がそのままUIとして表現されており、プロのデザイナーが理想とするレイアウトを忠実に再現できます。アニメーションツールも内蔵されており、スクロールトリガーのアニメーション、ホバーエフェクト、インタラクションなどを直感的に設定可能です。
「デザインカンプ通りに実装できない」というストレスが極めて少ないのが強みです。実際、Webflowで作ったサイトはピクセルパーフェクトな仕上がりになりやすく、デザイナーからの評価が高い理由はここにあります。
2-2.WordPressのテーマ+ページビルダー
WordPressでデザインの自由度を上げるには、主に2つのアプローチがあります。
- テーマ+ページビルダー(Elementor、Divi、Bricksなど)
- フルサイト編集(FSE)+ ブロックエディタ(Gutenberg)
ElementorやDiviは非常に高機能で、多くのデザインを実現できます。ただし、ページビルダーが出力するコードは冗長になりがちで、パフォーマンスへの影響が出やすいのが課題です。また、「テーマのデザインの制約の中でカスタマイズする」という発想になるため、真にゼロベースのデザインを実現しようとすると、結局CSSを直接書く必要が出てきます。
どちらが有利?
デザインの自由度・品質という観点では、Webflowが一歩リードします。特に「デザイナーが作ったビジュアルをそのまま実装したい」「アニメーションや独自のUIを多用したい」場合は、Webflowの方が圧倒的に効率的です。
3.表示速度・パフォーマンスで比較
3-1.Webflowの高速CDN
WebflowのホスティングはAmazon CloudFront(AWS)のCDNを利用しており、世界中のエッジサーバーからコンテンツを配信します。プラグインを追加するほど遅くなる仕組みがなく、出力されるコードも比較的クリーンなため、デフォルトの状態でも高いパフォーマンスを発揮します。
Google PageSpeed InsightsやCore Web Vitalsのスコアも、適切に作られたWebflowサイトであれば90点台後半を出せることが多いです。画像の自動WebP変換、遅延読み込みなども標準対応しています。
3-2.WordPressのプラグイン依存
WordPressのパフォーマンスは、サーバー選択とプラグイン管理に大きく依存します。
高性能なサーバー(Cloudways、WP Engineなど)+ キャッシュプラグイン(WP Rocket)+ 画像最適化プラグイン(ShortPixel)などを適切に組み合わせれば、WebflowとほぼInterresting同等のスコアを出すことも可能です。
ただし、「普通にインストールして使っている状態」では、プラグインの多さやテーマのCSSの肥大化によって、Webflowよりスコアが低くなるケースがほとんどです。最適化には専門知識が必要です。
どちらが有利?
速度においてはWebflowが有利です。特別な設定なしで高パフォーマンスを維持できる点は、エンジニアリソースが限られているチームにとって大きなメリットです。WordPressでWebflow相当のパフォーマンスを出そうとすると、それなりの投資とノウハウが必要になります。
4.SEO対策のしやすさで比較
4-1.WebflowのSEO機能
WebflowはSEOに必要な設定が標準で揃っています。
- titleタグ・metaディスクリプションのページごとの設定
- OGP(Open Graph Protocol)の設定
- canonicalタグの設定
- robots.txtの編集
- サイトマップの自動生成
- 301/302リダイレクトの設定(UIから操作可能)
- スキーママークアップ(カスタムコードで実装)
CMS機能(Webflow CMS)を使えば、ブログ記事やランディングページを動的に生成でき、コンテンツSEOにも対応できます。
一方で、WordPressのYoast SEOやRankMathのような専用SEOプラグインに相当する機能は内蔵されておらず、より詳細なSEO分析・提案はありません。
4-2.WordPressのSEO機能
WordPressはYoast SEO(無料・有料)やRankMath(無料・有料)といった強力なSEOプラグインがあり、以下のような機能を使えます。
- SEOスコアのリアルタイム評価
- コンテンツの読みやすさ診断
- 内部リンク提案
- キーワードランキング追跡(有料)
- 構造化データの自動生成
- Breadcrumbの自動実装
長年SEOに注力してきたプラグインエコシステムがあるため、コンテンツSEOを本格的にやりたいなら、まだWordPressの方が細かい機能は揃っています。
どちらが有利?
技術的SEO(速度、クリーンなコード、モバイル対応)という観点ではWebflowが優位。コンテンツSEOの運用ツールとしての充実度はWordPressが優位という見方が正確です。SEO対策を本格的にやるなら、Webflowは「技術的SEOは任せてコンテンツに集中する」スタイルが合っています。
5.セキュリティで比較
5-1.Webflowのマネージドセキュリティ
Webflowはセキュリティをプラットフォーム側が一括管理するモデルです。
- SSL証明書の自動発行・更新
- DDoS対策(Cloudflare経由)
- CMSデータベースへの直接アクセス不可
- Webflowインフラ側でのセキュリティパッチ自動適用
- 2段階認証
ユーザーがやるべきことは少なく、「気づいたらサイトが改ざんされていた」というリスクが非常に低いのがメリットです。
5-2.WordPressの自己管理セキュリティ
WordPressはオープンソースであり、世界シェアが高いがゆえに攻撃ターゲットになりやすい側面があります。セキュリティは自己責任の部分が大きいです。
主なリスクと対策:
- 管理画面への不正アクセス — 対策: ログインURL変更、2FA設定
- プラグインの脆弱性 — 対策: 定期的なアップデート
- テーマの脆弱性 — 対策: 信頼性の高いテーマを選ぶ
- サーバーへの不正アクセス — 対策: WAF、IPアドレス制限
- ブルートフォース攻撃 — 対策: Wordfence等のセキュリティプラグイン
WordPressサイトがハッキングされる事例は少なくなく、特に更新管理を怠ったサイトは被害に遭いやすいです。セキュリティプラグイン(Wordfenceなど)の導入と定期的なメンテナンスが必須です。
どちらが有利?
セキュリティの管理負荷という観点では、Webflowが圧倒的に優位です。セキュリティの専任担当者がいない中小企業にとって、「何もしなくても安全が保たれる」Webflowの仕組みは大きな安心感につながります。
6.運用コストで比較
コストは多くの方が最も気になるポイントです。2026年現在の最新料金をもとに、リアルな費用感を比較します。
6-1.Webflowの費用
Webflowの料金はサイトプランとワークスペースプランに分かれています。
サイトプラン(月額、年払い)
- Basic — 月額(年払い): $14/主な特徴: 静的サイト、CMS非対応
- CMS — 月額(年払い): $23/主な特徴: CMS対応、2,000アイテム
- Business — 月額(年払い): $39/主な特徴: 10,000アイテム、カスタムコード
- Enterprise — 月額(年払い): 要相談/主な特徴: 大規模サイト向け
ドメイン代(年間1,000〜2,000円程度)を加えると、月2,500〜6,000円程度が標準的なコストです。この価格でホスティング・CDN・SSL・CMS機能すべてが含まれます。
6-2.WordPressの費用
WordPressのコストは選択する要素によって大きく変わります。
最小構成(共有サーバー)
- レンタルサーバー(さくら、エックスサーバー等) — 月額目安: 500〜1,000円
- ドメイン — 月額目安: 100〜200円
- テーマ(無料テーマ使用の場合) — 月額目安: 0円
- セキュリティプラグイン — 月額目安: 0〜2,000円
- **合計** — 月額目安: **600〜3,200円**
一見WordPressが安く見えますが、本格的に運用する場合は追加コストが発生します。
本格運用構成(中規模サイト)
- 高性能サーバー(Cloudways等) — 月額目安: 2,000〜6,000円
- 有料テーマ — 月額目安: 300〜1,000円(償却)
- SEOプラグイン(有料版) — 月額目安: 1,500〜3,000円
- キャッシュプラグイン(WP Rocket等) — 月額目安: 500〜1,000円(償却)
- バックアッププラグイン — 月額目安: 500〜1,000円
- セキュリティプラグイン — 月額目安: 500〜2,000円
- **合計** — 月額目安: **5,300〜14,000円**
さらに、WordPressはアップデート・セキュリティ対応・障害対応などの運用人件費が見えないコストとして発生します。エンジニアが社内にいない場合、保守・管理を外部に委託すると月1〜3万円のコストが追加になることも珍しくありません。
どちらが有利?
単純な月額料金はWordPressが安い場合もありますが、トータルコスト(TCO)で比較するとWebflowの方がシンプルなケースが多いです。特に「技術者が社内にいない」「保守に人手をかけたくない」という場合は、Webflowのオールインクルーシブな料金体系が合理的です。
7.カスタマイズ性で比較
7-1.WebflowのカスタムコードとAPI
Webflowはノーコードツールでありながら、カスタムコード(HTML/CSS/JavaScript)の埋め込みが可能です。
- ページのhead/bodyへのスクリプト埋め込み
- 特定要素へのカスタムHTMLの追加
- Webflow API経由でのCMSデータの操作
- Zapier/Make/n8nとの連携
ただし、Webflowの構造を根本から変えるようなカスタマイズや、バックエンドの処理(会員管理、決済カスタマイズ、複雑なデータベース操作など)には限界があります。複雑なWebアプリに近いものを作ろうとすると、Webflowだけでは対応できない場面が出てきます。
7-2.WordPressのプラグインエコシステム
WordPressの最大の強みの一つが、6万以上のプラグインという圧倒的なエコシステムです。
「こういう機能が欲しい」と思ったとき、高い確率で既存のプラグインが存在します。会員機能(MemberPress)、予約システム(BookingPress)、フォーム(Gravity Forms)、多言語対応(WPML)など、ほぼあらゆる要件に対応できます。
また、PHPでの直接カスタマイズも可能なため、技術的には「何でも作れる」といっても過言ではありません。
どちらが有利?
複雑な機能要件・高いカスタマイズ性が必要ならWordPressが有利。標準的なビジネスサイト・コーポレートサイト・ランディングページの用途ではWebflowで十分対応できます。
8.EC機能で比較
ECサイトを構築したい場合の比較です。
8-1.Webflow Ecommerce
Webflow Ecommerceは2019年にリリースされた比較的新しいEC機能です。
対応している機能
- 商品管理(物理・デジタル商品)
- バリエーション設定
- Stripe/PayPalによる決済
- カート・チェックアウトのフルカスタマイズ
- 税率・送料設定
- 注文管理・顧客管理
制限事項
- 一部プランで商品数の上限あり
- 日本のコンビニ払い・銀行振込などへの対応が限定的
- Amazon/楽天との在庫連携などは非対応(サードパーティ連携が必要)
8-2.WooCommerce(WordPress)
WooCommerceはWordPress向けの最大手ECプラグインで、世界のECサイトの約36%で使われています。
強み
- 豊富な拡張プラグイン(決済・配送・在庫管理など)
- 日本の決済事情(GMO PG、SBペイメント等)への対応が充実
- B2B機能、定期購入、デジタルコンテンツ販売など幅広い用途に対応
- Shopifyと比べてもカスタマイズ性が高い
弱み
- セキュリティ管理の複雑さ(クレジットカード情報を扱うため重要)
- パフォーマンス最適化が必要
- サーバー要件が高い(チェックアウト処理の負荷)
どちらが有利?
本格的なECサイトにはWooCommerceが有利です。特に日本市場での決済対応・物流連携を考えると、WooCommerceの方が実績・プラグイン共に充実しています。シンプルな商品販売(デジタルコンテンツ、少数の物理商品)であれば、Webflow Ecommerceも十分機能します。
9.こんな人にはWebflowがおすすめ
以下に当てはまる方には、Webflowを強くおすすめします。
Webflowに向いているケース
- デザイン品質を最優先したい
Figmaのデザインカンプを忠実に実装したい、ブランドの世界観を細部まで表現したいという場合、Webflowの表現力は他のプラットフォームを圧倒します。
- 技術的なメンテナンスに時間・コストをかけたくない
サーバー管理・セキュリティ対応・プラグインのアップデートに追われたくない方にとって、Webflowのマネージドモデルは理想的です。
- コーポレートサイト・サービスサイト・LP
情報発信が中心のビジネスサイトなら、Webflowで十分なケースがほとんどです。
- Webデザイナー・クリエイターが自分でサイトを管理したい
デザインスキルはあるがコーディングは苦手なデザイナーにとって、Webflowは最高の制作環境です。
- 高速・高パフォーマンスなサイトが必要
SEO・UXの観点からCore Web Vitalsを重視している場合、WebflowのデフォルトパフォーマンスはWordPressの最適化前より優れています。
10.こんな人にはWordPressがおすすめ
逆に、以下のケースではWordPressの方が適しています。
WordPressに向いているケース
- 大量のコンテンツを運用するメディア・ブログ
月に何十本もの記事を投稿し、複数ライターが執筆するような場合、WordPressのCMS機能とライタービリティは実績があります。
- 複雑な機能要件がある
会員制サイト、予約システム、複雑なフォーム、独自のデータベース連携など、Webflowの標準機能では対応できない要件がある場合。
- 本格的なECサイト(特に日本市場向け)
WooCommerceの決済プラグインの充実度は、日本の商習慣に対応する上で重要です。
- 社内にエンジニア・WordPress経験者がいる
WordPressを熟知したエンジニアがいれば、保守コストを抑えながら高度なカスタマイズが可能です。
- 低コストで始めたい(初期投資を最小化したい)
とにかく安くスタートしたい場合、共有サーバー+無料テーマの組み合わせならWordPressの初期コストが有利です。
選択のポイントまとめ
- デザイン品質 — おすすめ: Webflow
- 表示速度(デフォルト) — おすすめ: Webflow
- セキュリティ管理の楽さ — おすすめ: Webflow
- 運用コストのシンプルさ — おすすめ: Webflow
- 複雑な機能要件 — おすすめ: WordPress
- プラグインの豊富さ — おすすめ: WordPress
- 本格EC — おすすめ: WordPress
- 大量コンテンツ運用 — おすすめ: WordPress
- 初期コストの安さ — おすすめ: WordPress
- 日本語情報の豊富さ — おすすめ: WordPress
11.まとめ:迷ったらプロに相談するのが近道
2026年現在、WebflowとWordPressはそれぞれの強みを持った異なるツールです。「どちらが優れているか」ではなく、「自社の目的に合っているか」で判断することが重要です。
改めて要点を整理すると:
- Webflowが向いているのは、デザイン品質・パフォーマンス・セキュリティ・運用の楽さを重視するビジネスサイト・コーポレートサイト・LPです。技術的な管理から解放されて、本業に集中したい方に特におすすめです。
- WordPressが向いているのは、複雑な機能要件・大量コンテンツの運用・本格的なECサイトです。社内エンジニアやWordPress熟練者がいる環境では、高いコスパを発揮します。
「うちはどっちが合っているんだろう?」と判断に迷ったら、実際にどちらも扱ったことのある制作会社に相談するのが一番の近道です。
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