はじめに
「Webflowって名前は聞いたことがあるけど、結局何ができるの?」
そんな疑問を持つ方は多いと思います。デザイナーやマーケターの間でWebflowの名前が出る機会が増えてきましたが、「コーディング不要」「デザインの自由度が高い」という説明だけでは、実際のイメージがわきにくいのが正直なところです。
この記事では、Webflowの基本的な仕組みから特徴、メリット・デメリット、そして「自分にWebflowは合っているのか?」という判断基準まで、順を追って解説していきます。
1.Webflowとは
Webflowは、コーディングの知識がなくてもプロフェッショナルなWebサイトを制作できるプラットフォームです。ただし、「ノーコードツール」という一言で片付けるには、少し語弊があります。
一般的なノーコードツール(たとえばWixやJimdoなど)は、あらかじめ用意されたテンプレートにテキストや画像を当てはめていく形式が主流です。これに対してWebflowは、HTMLやCSS、JavaScriptの概念をビジュアルで操作することで、デザインの細部まで自分でコントロールできます。「コードを書かなくていい」というより、「コードの代わりにビジュアルで操作できる」という表現が近いかもしれません。
1-1.設立の背景
Webflowは2013年にアメリカのサンフランシスコで設立されました。創業者のVlad Magdalin氏は、Webデザインの仕事をする中で「デザイナーがコーダーに頼らなければ実装できない」という非効率さに課題を感じ、このプラットフォームを立ち上げました。
「デザインとコードの橋渡しをする」というコンセプトは当初から一貫しており、現在では世界350万人以上のユーザーが利用するプラットフォームに成長しています。日本でも、スタートアップのコーポレートサイトやSaaSのランディングページなどで採用事例が増えています。
2.Webflowの主な特徴
2-1.ビジュアルエディタによる直感的な編集
Webflowの編集画面は、よく「デザインツールとコードエディタを合体させたもの」と表現されます。Figmaのようにビジュアルでレイアウトを組みながら、その裏側ではCSSが自動生成される仕組みです。
ボックスの配置、余白の調整、フォントのサイズ変更——これらすべてを数値入力やドラッグ操作で行えるため、思い通りのデザインを実現しやすくなっています。
2-2.組み込みのCMS機能
Webflowには「Webflow CMS」と呼ばれるコンテンツ管理機能が標準で搭載されています。ブログ記事、スタッフ紹介、事例ページなど、繰り返し使うコンテンツをデータベースとして管理できます。
たとえばブログを運営する場合、記事のテンプレートを一度作成すれば、あとは記事を追加するだけで自動的に同じデザインで表示されます。コードの変更なしにコンテンツを増やしていけるため、マーケターやコンテンツ担当者が自分でサイトを運用するケースでも重宝されています。
2-3.ホスティングまで一体型
Webflowではサイトの制作からホスティング(サーバー上での公開)まで、すべてWebflow上で完結します。別途サーバーを契約する必要がなく、Webflowのインフラ(Fastlyを利用したCDN)でサイトが配信されます。
サーバーの管理やWordPressのアップデート作業といった運用負担がないため、制作後の維持コストを抑えやすいのが特徴です。
2-4.レスポンシブデザインへの対応
スマートフォン、タブレット、PCといった各デバイスに応じたレイアウト調整を、同じエディタ上でできます。デバイスを切り替えながらリアルタイムで表示を確認できるため、「PCでは綺麗だったのにスマホで崩れた」というよくあるトラブルを未然に防ぎやすくなっています。
2-5.アニメーション・インタラクション機能
Webflowには「Interactions」と呼ばれるアニメーション機能があります。スクロールに連動した要素の動き、ホバー時のエフェクト、ページ遷移アニメーションなど、通常はJavaScriptで実装するような動きをコードなしで設定できます。
この機能を使いこなすことで、ファッションブランドや高級ホテルのWebサイトのような、動きのある表現力の高いサイトを制作できます。
3.Webflowのメリット
3-1.デザインの自由度が高い
これがWebflowの最大の強みです。他のノーコードツールと比較したとき、「デザインの制約が少ない」という点でWebflowは一歩抜きん出ています。
たとえばWixでは、テンプレートの枠を大きく超えたデザイン変更が難しいことがありますが、Webflowではボックスモデルを理解していれば、ほぼ思い通りのレイアウトを組めます。
3-2.コーディングなしでクリーンなコードが生成される
Webflowで制作したサイトのHTMLは、手書きのコードと遜色ないクリーンな状態で出力されます。コードをエクスポートして自前のサーバーで公開することも可能で、「Webflowで制作して独自サーバーで運用する」という使い方もできます。
3-3.サイトの表示速度が速い
WebflowのホスティングはグローバルなCDNを使って配信されており、世界中どこからアクセスしても高速に表示されます。表示速度はGoogleのランキング要因のひとつでもあるため、SEO面でも有利です。
3-4.SEOに必要な設定を細かくコントロールできる
メタタイトル、メタディスクリプション、OGP設定、canonical URLなど、SEOに関わる設定を各ページ単位で細かく管理できます。WordPressのようにSEOプラグインを別途インストールする必要がなく、標準機能の範囲で対応できる点は実用的です。
画像のalt属性の設定、構造化されたHTMLの出力、クリーンなURL設計なども、Webflowのデフォルト仕様に従うだけで実現できます。
3-5.Zapierやストライプなどの外部サービスと連携しやすい
WebflowはAPIを持っており、ZapierやMake(旧Integromat)を使ってさまざまな外部サービスと連携できます。たとえば「問い合わせが届いたらSlackに通知する」「CMSに記事を追加したらSNSに自動投稿する」といった自動化も設定できます。
決済機能については、Stripeとの連携が公式にサポートされており、シンプルな商品販売であればWebflow単体で対応できます。
4.Webflowのデメリット
メリットが多い一方で、Webflowには向き不向きがあります。導入前に知っておくべきデメリットを正直にまとめます。
4-1.日本語の情報が少ない
Webflowの公式ドキュメントや主要なチュートリアルは英語がほとんどです。日本語のコミュニティも少しずつ増えてきていますが、WordPressと比べると圧倒的に少ないのが現状です。
困ったときにすぐ日本語で調べて解決できる、という状況にはまだなっていません。英語の情報を読み解く力があると学習がスムーズです。
4-2.学習コストがある
「ノーコードなのに学習コストがあるの?」と思うかもしれませんが、Webflowを使いこなすにはHTMLとCSSの基礎概念(ボックスモデル、Flexbox、Gridなど)を理解していることが理想的です。
完全にゼロから学ぶ場合、「それなりに使える」レベルになるまで数週間〜数ヶ月かかることも珍しくありません。Webflowは「コードを書かなくていい」ツールですが、「何も知らなくていい」ツールではありません。
4-3.本格的なECサイトの構築には制限がある
Webflowには「Webflow Commerce」という機能がありますが、大規模なECサイトに必要な在庫管理、複数通貨対応、複雑な配送設定などに対応しきれない部分があります。本格的なEC構築ならShopifyの方が適しています。
Webflowは「商品を数点だけ販売するシンプルなサイト」には対応できますが、大型のオンラインショップには向いていません。
4-4.日本語フォントの扱いには工夫が必要
WebflowはGoogle Fontsに対応していますが、日本語フォントの選択肢は英語フォントほど多くありません。「Noto Sans JP」のような主要な日本語フォントは利用できますが、フォントの読み込み速度に影響することがあるため、設定に注意が必要です。
4-5.料金はやや高め
Webflowの料金プランはサイトの規模や機能に応じていくつか用意されていますが、WordPressの共有サーバー運用と比べると月額費用は高くなります。ビジネス用途で使う場合、月1万円以上のコストがかかることも想定しておく必要があります。
5.Webflowが向いている人・向いていない人
5-1.Webflowが向いている人
デザイナーで、実装を自分でコントロールしたい方
Figmaでデザインを作ったあと、エンジニアに依頼して実装してもらうサイクルに煩わしさを感じているデザイナーに特に向いています。ビジュアル操作でCSSを扱えるWebflowは、「デザイン通りに実装されない」というフラストレーションを解消しやすいツールです。
スタートアップや中小企業のコーポレートサイト
更新頻度が高く、デザインにこだわりたいコーポレートサイトにWebflowはよく合います。CMSを使えばブログや事例の更新も担当者自身でできるため、運用コストを抑えながら高品質なサイトを維持できます。
マーケターで、ABテストやLP制作を素早く回したい方
ランディングページの作成・変更・公開をWebflow上で完結できるため、マーケティング施策のスピードを上げたい方にも向いています。
ポートフォリオサイトを作りたいクリエイター
自分の作品をインパクトある演出で見せたいデザイナーやフォトグラファーにも、Webflowのアニメーション機能は強みを発揮します。
5-2.Webflowが向いていない人
WordPressの豊富なプラグインが必要な方
予約システム、会員管理、複雑なフォーム処理など、WordPressのエコシステムに依存する機能が必要な場合は、Webflowでは代替が難しいケースがあります。
大規模なECサイトを構築したい方
前述の通り、本格的なEC機能が必要であればShopifyを選ぶ方が現実的です。
とにかく低コストでサイトを持ちたい方
無料ブログサービスやレンタルサーバー+WordPressの組み合わせと比べると、Webflowの維持費は高くなります。予算が限られている場合は他のツールを検討する方がいいこともあります。
6.WordPressとの違い
WebflowとWordPressはよく比較されますが、根本的な思想が異なります。
- 学習コスト — Webflow: ある程度必要(CSS知識が役立つ)/WordPress: プラグイン次第で比較的低い
- デザインの自由度 — Webflow: 高い/WordPress: テーマ依存で制限あり
- 日本語情報 — Webflow: 少ない/WordPress: 豊富
- 運用・保守 — Webflow: ほぼ不要(Webflowが管理)/WordPress: プラグイン更新・セキュリティ対応が必要
- 拡張性 — Webflow: APIや外部連携で対応/WordPress: プラグインが豊富
- EC機能 — Webflow: 小規模向け/WordPress: WooCommerceで本格対応可
- 費用 — Webflow: やや高め/WordPress: サーバー代のみで済む場合も
WordPressは「プラグインで何でもできる万能さ」が強みですが、その分メンテナンスの手間もかかります。Webflowは「デザインと速度にこだわりたい、かつ運用を楽にしたい」というニーズに応えるプラットフォームです。
どちらが優れているというより、目的とリソースに応じて選ぶべきツールが変わってくるという理解が正確です。
7.まとめ
Webflowは、「コーディングができなくてもプロ品質のサイトを作りたい」「デザインの自由度を妥協したくない」という方にとって、非常に強力な選択肢です。
一方で、学習コストや日本語情報の少なさ、料金面の課題があることも事実です。「とりあえず安くサイトを作りたい」という目的には向いていませんが、「ブランドとして長期的に使えるサイトを作りたい」という目的には十分応えられます。
Webflowを使った制作では、ツールの習熟度がそのままサイトの完成度に直結します。自分で学習しながら制作する時間がない場合や、「Webflowの可能性を最大限に引き出したサイトにしたい」という場合は、Webflow制作の専門家に依頼することも選択肢のひとつです。
f2t.jpでは、Webflowを活用したWebサイト制作を承っています。コーポレートサイト、ランディングページ、ポートフォリオサイトなど、目的に合わせた提案をしていますので、まずはお気軽にご相談ください。
























































